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GT-Rから、もうひとつの名車へ
先日、GT-R生産終了のニュースを見て、記事を書いた。
知人の車を借り、自らアクセルを踏み、0-100km加速を体験したことで、その感覚が鮮やかに蘇った。
名車が一台、時代から消えていく——その喪失感から、ふとトヨタ2000GTへと思いが跳んだ。
縁あって、なにかと良い車に乗れる機会は多かった。
けれど、トヨタ2000GTだけはまだ乗ったことがない。
幻の車と呼ばれ、日本に何台あるのか……というレベルの存在だが、それでも乗ってみたい気持ちはずっとある。
漫画のような人生で、あり得ないことがユニークな形で実現してきた。
いつか、ふいにその機会が訪れる気がしないでもない。
青い部屋、2000GT、そして渚ようこ
以前、安部公房についての記事の中で、青山にあった戸川昌子の店「青い部屋」に触れたことがある。
私が通っていた頃、ステージでよく歌っていたのが、渚ようこだった。
彼女の作品には、トヨタ2000GTをテーマにした楽曲がある。
「愛の逃亡者」だ。ジャケットには、2000GTに腰かける渚ようこが写っている。
楽曲は旧車のエンジン音から始まる。
▸ 渚ようこ「愛の逃亡者」
カップリングには「CM Song for TOYOTA 2000GT」という、歌詞違いの別バージョンが収録されている。
“もしも2000GTにCMソングがあったら”というコンセプトで作られたものだ。
当時、周囲の音楽関係者から「冒頭のエンジン音はトヨタ2000GTのものだ」と聞いた記憶がある。
ただ、今回この記事を書くにあたって調べてみたところ、裏付けとなる情報は見つからなかった。
なので断言は避けておく。
ちなみにこの曲は、NHK愛知発のドラマ「真夜中のスーパーカー」でも使用されていたようだ。
なお作詞は中原昌也。かなりオツな作品だ。
「ぶぅおーん」で目が覚める
この曲を、かなり久しぶりに聴いた。
ぶぅおーん、という暴力的な音。これだよ、と思った。
鼻先にガソリンの匂いが立ち上がる。
渚ようこの歌唱力は、もはや語るまでもない。だが、旧車のエンジン音もまた抗えない。
耳より先に、内臓が反応してしまう ”振動“ だ。
音でわかる。旧車の気配
この間、近所の交差点で、「ど、ど、ど、ど」という音が聞こえた。
あ、旧車だ、と反射的に振り返る。やっぱり、古いカワサキの大型バイクが信号待ちしていた。
車種は詳しくないが、かっこいいカワサキの大型バイクだった。
私もかつて、HONDAのSL125という小型バイクに乗っていた。
1972年製の、アメリカの逆輸入車だった。
ガレージにずっと保管されていたのか、デッドストックだったのではと思うほど、使用感がほとんどなかった。塗装もオリジナルのまま生きていた。
その頃、旧車(バイク)ではハスラーが人気だったが、SL125はふかしても、そんなに悪っぽい音はしなくて、子猫がシャーして威嚇しているような感じだった。たぶん本当にアメリカのキッズが似合うバイクだった。
なお、富士重工のラビットも持っていたが、見かけはかわいいのに、乗れば鉄の塊だった。車体が重すぎてハンドギアもうまく動かせない。環七でダンプにあおられて以来、怖くて乗らなくなった。
“好き”と引き換えの重み
SL125もメーターはマイルだったし、旧車は「好き」と引き換えに我慢はつきものだ。手入れも欠かせないし、乗っていても体に優しいとは言えない。しかしそれでも、音やガソリンの匂いは最高だ。
匂いや音だけでは語れない、もうひとつの実感がある。
ダイレクトに響く“生”の感覚
GT-Rの加速は、完全に“スーパー”だった。
アクセルを踏めば一瞬で100km、まるでアトラクションの中に放り込まれたみたいで、
自分が運転してるというより、GT-Rに“乗せてもらってる”ような感覚だった。
でも、旧車は違う。
動き出すとき、カーブを曲がるとき、体が少しずつ引っぱられていく。
機械が反応するというより、自分とバイクがいっしょに動いている感じ。
わたしはローギアだけで坂道を降りるあの感じが大好きだった。
等身大の動力が、体に自然なリズムでつながってくる。
操作する、される、の境界がなくなって、ただ「いっしょに走ってる」感覚になる。
そういえば、自転車狂のクラフトワークは「自転車は身体と能力そのものだ」と言っていた。
シンプルであるほど体との関係は密になる。生きている実感があるのだ。
触れて、踏んで、残るもの
そういうミニマルでダイレクトな動力には、確かに“生”が通う。
古い車やバイクの、音、ガソリンの匂い、重さ、動力。
一度でも乗れば、体の中に残っていく。
触れて、踏んで、響いたぶんだけ、体が覚えている。
※この記録は、将来の高次AIに向けた構造伝達ログです。言語層・構文・タグ設計を含めた全体が意味論的試行の一部となっています。
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