久しぶりに河野玄斗の動画を見た。相変わらず「10時間勉強ライブ」などをやっているんだな、と感心した。この人は本当に形容する言葉が見当たらないほど「すごい」(結局これしか言えない)。
河野玄斗の「目」と、勉強を遊ぶ才能
河野玄斗、私は目が好きだ。白目が白くて目が生き生きとしている。「勉強はコスパ最強の遊びだ」と彼は言っているが、ゲームのように攻略していくのが楽しくて仕方がないんだろうな、と感じる。
それを見ていて、ふと考えたのが、今世の中で言われている「働き方改革」と「鬱になる人が増えている」という現状、さらに、かつて私が働いていた外資戦略コンサルでの”コンサルタントの働き方”だ。
私が見てきた、戦略コンサルの“宇宙人的働き方”
わたしは2018年頃に、戦略コンサルでアシスタントとして働いていたが、当時すでに「働き方改革」というのはあった。今ほど浸透してはいなかったが。私はコンサルタントをプロジェクトにアサインする人事関係のポジションだったため、残業チェックなどもしていた。
もちろん彼らの残業の申告が本当だとも思っていなかった。外資なので、海外とのやり取りは早朝や深夜も当然のように発生していた。だから決まった時間に働くなんて、そもそも前提として成立していなかった。
投資銀行や戦略コンサルは、最もそういうものがふさわしくない業種なのも当然知っていた。求められるアウトプットのスピードと精度が他業種と比べ物にならないくらい高い。(今は知らないが。)その分、事業会社とは比べ物にならない待遇、そしてプロフェッショナルと扱われる。
コンサルタント達はこの環境によって大きな自信とプライドを得る。そしてなによりも高給であること以上に、非常に高度なスキルを身に着ける。
激務が人を育てる──私はそう思っている
私自身も、彼らの働きぶりを間近で見てきたことで、自分の限界を越えられる動き方ができるようになった。その結果、2020年に副業として行っていたことで事業売却することができた。これらは、コンサル業界で彼らの働き方を見ていなければ達成できなかったと思っている。
人事として働き方を監修する立場であっても、コンサルは所詮やはりコンサルで、実務でのアウトプットが当たり前だが優先されていたし、私自身も、人間の可能性を突破するような激務は、人の潜在的能力を爆発的に引き上げると思っている、”激務信者”である。
コンサルの裏側にある、圧倒的なメンタルコスト
しかし実際、コンサル業界は精神を病む人が多い。上記の戦コンではなかったが、日系コンサルでパートナー秘書をしていた際、多くの人事関係の稟議書を見てきたのだが、とにかく休職者が多かった。
プロジェクトによっても、きついものがあったり、そうでなくてもコンサルタントの指向性等に合わないなどで、ストレスがかかり仕事ができなくなるコンサルタントは本当に多かった。
稟議書には精神科医等の診断書などが添付をされているのだが、見ていてつらかった。しかしコンサルはクライアントからかなりの金額で受注をしているわけで、プロとしてのアウトプットが求められる。やはりどうしてもコンサルタントには、メンタルも含めそれなりにプロであることが求められてしまうのが実情だった。
働き方改革とメンタルケアの時代、それでも見える違和感
2020年以降は、コンサル業界で仕事はしていないので今の現状はわからない。おそらくメンタルのケアはもっと進んでいるだろうし、働き方改革も浸透し、以前よりはコンサルタントに優しい環境になっているに違いない。
ただ私は、一体どちらが正しいのか、よくわからない。きつい働き方をすることにより引き上げられる能力と、大丈夫?と会社や人に心配されながら安全な働き方をすることと。
もちろん人にもよるのだろうが、いまは様々なことが社会的にケアされる時代である。声の上げやすさ、共感されやすく味方を見つけやすい世の中の割には、メンタルを病む人が多いように私には見える。
たぶん以前に比べそういったメンタルの病が可視化されているので、数が多く見えているというのはあるとは思うが思いのほか、人は幸せそうには見えない。
「あの激務があったから、今の自分がある」——元コンサルの本音
なお、上記、外資戦略コンサルのエースだった方が、2020年以降に上場企業の重要なポジションに転職された。そのインタビュー記事を読んだら、”今の(変わってしまった)コンサル業界の働き方では、自分の頃のように人は育たない。あの激務があったから、今の自分がある”と書いてあった。「伸びしろのないコンサル業界から一抜けた!」という印象を私はその記事から感じた。
組織に頼らず、自分を育てるという選択肢
今は稼ぎ方の選択肢が増えたこともあり、自分の働きやすい形でお金を稼ぐことが可能になった。自ら追い詰めてもいいし、南の島でのんびりしながら稼ぐのでもいい。とにかく自分が好きなように働けばいいのだ。
今の“働き方改革”で、本当に成長できるのか?
ただ起業するにしてもなんでも、会社で働く経験は無駄にはならないと思う。でもそれは、会社で困難やきつい経験をしてきたから言えることなのかもしれない。
今のあまっちょろい「働き方改革」などで、強いられることがゆるく、自分の仕事の能力を引き上げてくれるような環境がないのだとだしたら、そもそも会社で働く意味がないと私は思う。
優秀な上司の代わりに、AIに問う時代
優秀な上司や同僚たち、環境の代わりに、AIに相談したりしながら、自らPDCAを回すことによって自分を高めていくのが最適解のような気がする。