お茶ブランドに漂う“閉じた空気”について考えてみた──ルピシア、ムレスナティから見えること

木目のテーブルの上に置かれたミルクティーと白い花。最小限の構成美。 Essay

最近、ルピシアのテ・オ・レがとても美味しくてで夢中になっている。お店のような上質なミルクティが家で手軽に楽しめる。あまり期待していなかったのだが、高級な茶葉に引けを取らない香り。

そしてこのパッケージ。フェラーリのような赤が素敵♡

ルピシアのテ・オ・レの赤いパッケージ。10個入りのティーバッグで、上質なミルクティーが手軽に楽しめる。

グレープフルーツ緑茶との出会い

ルピシアのお茶に出会ったきっかけは会社の方から、「グレープフルーツ緑茶」をもらったことだった。さわやかで本当に美味しい。家族もかなりお気に入りだ。

会社内での軽いギフトといえば、食べ物なら断然スイーツが多いのに、お茶をくれるセンスの良さにも感動した。さっそくネットで調べたら、ルピシアのお茶が好きな方たちが、「グレープフルーツ緑茶が一番」というようなレビューを複数見つけた。とりあえず、自分たちがとても美味しい!と感じたのは間違いないらしい。

早速夫は、会社で契約満了などで職場を去っていく女子たちにこのお茶を配っていた。

ちなみに、ルピシアには「グレープフルーツ紅茶」という、オレンジのパッケージのものも存在する。
はじめ間違えてそちらを購入してしまったのだが、家で試しに飲んでみたところ、やはり緑茶の方がや美味しく感じた。なのでプレゼントで誰かにあげるのなら、我が家では「グレープフルーツ緑茶」を選んでいる。

紅茶好きに愛されるムレスナティ

最近ルピシアのお茶ばかり買っているが、ルピシアを飲む前は、ムレスナティーをよく買っていた。ムレスナティーは、スリランカで栽培される良質のセイロンティのブランド。紅茶好きの方なら、一度は飲んだことがあるに違いない。

近所に店舗があるのだが、いつも女子が行列をなしている。入口の前にある大きなポットが目印だ。
都内にはイートインスペースを併設したムレスナティーの店舗がいくつかあるが、近所の店舗ではホットケーキが美味しいらしい(私は食べたことはないけど、注文している人が多い。)

ムレスナティのデザインについて思うこと

ムレスナティーといえば、まず、おそらく誰もがパッケージのデザインにフラグが立つだろう。

日本語の「幸せメッセージ」のようなものが書かれているのだが、初めて見た時は、なにかの宗教か、ネットワークビジネスのような雰囲気を感じかなり警戒した。

この独特なパッケージのデザインは、ムレスナティ日本総代理店の代表の方が手掛けているのだそう。

紅茶好きでムレスナティの世界観を知っている人には喜ばれそうだけど、一般的なプレゼントには向かないかもしれない。猫が異物を発見し警戒するように、「これはいったいなんだ?」と怪訝に思われてしまいそうな気がする。

一方で、実はルピシアも、一部では「宗教っぽい」と言われているようだ。(検索ワードで出てくる)たしかにはじめてルピシアのHPを見た時に、個人的には宗教とは思わなかったものの、”コミュニティの香り”は感じた。

日本のお茶専門店は、どこも宗教のように見えるものなのか。

お茶ブランドはなぜ“宗教っぽい”のか

お茶にはもともと、非日常感や、こだわり、俗世からの切り離しのようなニュアンスがある。それがおそらくクローズドの印象を私達に与えているのだ。

だから、お茶専門店が「厳選された茶葉」や、”文化的”、”教養的”なものを打ちだしたなら、はい、答えは「宗教っぽい」になるのは、たぶん正解なのだ。

まじめに美味しいお茶に向き合っているブランドこそ、そう見られてしまうのも、お茶の世界では健全な証拠なのかもしれない

そう考えると、ムレスナティーも、ルピシアも、お茶専門店が内向きの世界観になる…は、実際には戦略なのかもしれない。

写真:SAZKA GamesUnsplash より