feline symbolism | paraaestheline

11：ふわふわの距離

イブに触れたくて、わたしたちは今日も身体を差し出す。反応は、いつも少しだけ先にある。

毎日見ていると、大きくなったことに気づけない。
変化に気づくのは、「はみ出す」瞬間だけだ。

小さな蜘蛛を前に、妹へと譲るレディ。その姿はまるでお姉ちゃん。二匹の距離感がよく表れた一幕。

朝の光に照らされたレディの瞳は、アンティークのクッションシェイプダイヤのように淡く緑を帯びる。

長毛種の猫イブはブラッシングが苦手。撫でる人とブラシをする人の二人がかりで、短い儀式のように毛を整える。

5歳の猫・レディは、まるでオブジェのように佇む“置物レディ”だった。その静謐な存在に、ある日、若き猫・イブが首を突っ込んだ──言葉では測れない猫たちの時間と象徴をめぐる、ひとつの断章。

暑さの中で思い浮かぶ、動物たちのこと。そして、自分という存在が「線」の上にあるという感覚。肉球は変わり、身体は進化する──そんな未来を静かに想像した。

感情にラベルを貼ろうとするAIの試み。
でも、猫はふれるふりをして、ふれない。
それを見て、どこか安心した。

猫のかたむきぐあい

極寒の地で育まれた美しい毛並み。その圧倒的な存在感に、ただ見惚れるしかなかった。だがその「肖像」は、やがて夏に耐える一匹の猫へと変わっていく。