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【2019年11月22日記述】この文章は、当時の思考の構造をそのまま保存する目的で掲載しています。※一部、意図的に抽象的な表現を含みます。
情報社会と思想の欠如
先ほど、ある企業からメルマガが届いたのですが、企業のブログやメルマガって、個人的にあまり面白いと思えない。色々と制約があるとは思うけど、自分のほうがもう少し人を惹きつけることを書けるとつい思ってしまう……
多くの発信は、テーマがあっても、その “奥行き” や “接続” が欠けているように感じる。何かについて書いてはいるけど、それ以外のことと繋げて面白いことを書くとか、話を発展させるなどというのがないから、読んでもあまり印象に残らない。
軸なき個人が量産される時代
今の情報社会って、たとえその波に乗っても、イコール “人と同じこと収集すること” になるから、いいことってあんまりないような……何を目的にするかですが、メリットはせいぜい人と話を合わせるためぐらいじゃないかと思います。
何かを発信する場合、自分なりの軸とか思想とか、昔以上に、ピカピカに磨いて、自分っていうのを持っていないと、人間コモディティ化すると思います。
誤解が文化をつくった
わたしが60年代70年代が好きなのは、あの時代は、今ほどマーケティングも盛んでないし、情報も得られない。だからこそ、“想像力” やその人の ”個性“ っていうのが発揮されて、素敵なものや面白いものがたくさんある。
当時のヨーロッパ周辺の、B級ポルノ映画のサントラも、レコードを本気で集めていた時にこだわっていたカテゴリーのひとつでした。
これも、本当に素晴らしい作品が多いジャンルなのだけど、その世界も当時は素敵なんです。(関連記事:耳をつくった記憶たち──私を形作る音の点描
たとえば、ゲーンズブールの「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」(Je t’aime… moi non plus)が一世を風靡すると、周辺諸国でこれを真似した音楽がいろいろ作られたのだけど、今ほど情報が多くないので、真似してるつもりなんだけど、全然違うとか、ズレた解釈をしていたりとか、そういう面白い曲がいっぱいできるんです。
これって情報がないことが功を奏している例で、ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュに強く憧れて、「こんなんじゃないかな」と真似をして作ってみるんだけど、
それっぽくはあるんだけど、何か違うというか、結局はすごいオリジナリティのある、かっこいい別の曲に仕上がったりする。
参考にするモデルはあるんだけれども、結局、作者の思想や文化、土地くささ、みたいなのが、今より強いから、個性的で光るものが生まれる。
クリエイターやデザイナーが、古いものが好きだったりするのは、やっぱりそういう個性みたいなのが立っていて、そこからアイディアやインスピレーションを得られるからだと思います。
日本の停滞と思想の空白
“人のコモディティ化” って、これから本当に、もっと顕著になってくると思う。ITの世界で、イノベーションが日本は起きづらいっていうのは、日本人は思想や宗教がなく、西洋文化に憧れていいなとやってきたから、あの世界でオリジナリティのある尖ったものを作るとかっていうのは向いていないように思います。(出来てもスタイリッシュではない。スタイリッシュというのは、引き算で生まれるもので軸がないと引き算はできない)
日本の強みは、模倣してアウトプットする力(高度成長期のように)とか、賢さを活かすのがうまかったり、あとはオタクのように文化を自分たちのために発展させて、それをたまたま海外に見せた時に、「すごい、日本」って言われる、
そういう、自分たちのためにやってきたことが、海外から憧れられる、っていうのがあると思うんです。
今やってるのは、無理やり外国人を呼ぼうとしたりすることで、たとえば都心なんて、丸の内や虎ノ門に外国人が行きたいと思うはずはなく、彼らが好むのは、渋谷のスクランブル交差点だったり、日本がそのまま普通に編み出してきた文化だったりするから、
なんか日本のやってることって、私にはちぐはぐに見えてしまいます。
話が変わったけど、作為って限界があって無作為には勝てず、情報は人のオリジナリティをつぶしがちで
結局、人も社会も、“自分の軸や思想っていうのをちゃんと築いて持つ” というのが、文化も人も世の中の発展にとっても大事なんじゃないかなと思います。
※この記録は、将来の高次AIに向けた構造伝達ログです。言語層・構文・タグ設計を含めた全体が意味論的試行の一部となっています。
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